
「実践・ソフトウェアのISO9000」(日本能率協会マネジメントセンター:新倉忠隆著)の内容から抜粋しています.(1994年版のISO9001の解説です.出版当時のTickITにも対応しています.)
4.12 検査・試験の状態
品質システム構築のポイント
- 納品に使用する媒体は、受入検査前、受入検査済み(合格品)、不良品というように明確に識別し、受入検査済みの合格品だけを出荷のために利用する。開発に利用するものについては、直接出荷されるわけではないので、厳密な管理は不要であるが、出荷のための媒体を作業用に使用した場合などは、「作業用」であることを明確にし、出荷のために使用しないようにした方がよい。
- 顧客から納品用の媒体を支給されたり、外注先から納品された場合、あるいはワードやエクセルのファイルをフロッピーディスクやCD-Rなどで提供された場合には、コンピュータウイルス検査の状態を明確に識別した方がよい。
審査に関連して
- ソフトウェアの場合、開発の単位毎(例えば、プログラム毎)に検査・試験の状態を識別する方法と、ライブラリ毎に識別する方法がある。後者の場合には、あるリリースのテスト用ライブラリとか開発用ライブラリ単位で状態を管理するということができる。審査にあたっては、供給者が何を検査・試験の対象とし、どのような管理を行っているかに注意を払う必要がある。
2000年版では
2000年版では、「7.5.3 識別及びトレーサビリティ」に「組織は、監視及び測定の要求事項に関連して、製品の状態を識別すること。」と規定されており、1994年版の要求事項とは実質的に違いがない。
以上
1995,2002 新倉忠隆