
「実践・ソフトウェアのISO9000」(日本能率協会マネジメントセンター:新倉忠隆著)の内容から抜粋しています.(1994年版のISO9001の解説です.出版当時のTickITにも対応しています.)
4.6 購買
品質システム構築のポイント
- 品質システム構築の際に,ISO/IEC 12207: Information technology - Software
Life Cycle Processes(JIS X 0160 ソフトウェアライフサイクルプロセス)に基づいてソフトウェア開発工程を定義することを勧める.なお,日本では,この規格を基に「共通フレーム98
SLCP-JCF98」((株)通産資料調査会)が発行されており,国内の取引の状況を考慮したものとなっているため,そちらの利用を勧める.契約の際に発注側と受注側双方が同じ言葉を使って話ができるようになり,双方にメリットがある.
- ソフトウェアの開発を外注した場合,最終的にどのような形で何を納入するかも重要である.場合によっては,保守やテストのために開発中に使用したツールが必要になるであろう.
- 外注したソフトウェアの品質を確かなものとするためには,検収テストに関する要求事項を明確に契約に盛り込むとよい.
審査に関連して
- ソフトウェアの開発に伴ってマニュアルの印刷などを外部の印刷業者に委託することがあるが,そのような業者も認定が必要な下請負契約者である.
- 外注先がISO9000の認証を取得する必要はないが,供給者の品質システムの活動の重要部分が外注先で行われていたり,品質記録が外注先で保管されているような場合には,審査員が外注先に出向いたり,電話で確認したりすることもある.
2000年版では
2000年版では,1994年版の受入検査の要求事項が”購買製品の検証”として規定された.しかしながら,1994年版では受入検査の対象には他の事業者や他のプロセスなどから受け入れた物も対象になっていたにも関わらず,2000年版では購入したものしか対象になっていない.(関連する解説が「2000年版適用のために」の「フリーソフトウェアの管理」にあります.)
以上
1995,2002 新倉忠隆